ホームステイ物語~アルゼンチンの女の子を迎えて~
左 カミーラ(妹) 右 バルビ(姉)
紅葉が始まりかけた頃、地球の反対側の国アルゼンチンから「舞踊団ウダオンド」が貝塚にやって来ました。 私は今年からホストファミリー新1年生として受け入れ体験をさせていただくこととなり、 嬉しい反面『言葉が通じるのだろうか』と不安が入り混じった不思議な気持ちでした。 我が家の受け入れ準備として、触ってはいけない換気扇やセンサースイッチに(浅はかな知恵かと思いながらも) 紅葉のカードを貼っておきました。
娘になってくれたのは16歳と21歳の美人姉妹です。幸い彼女たちは英語が話せました。 私の片言英語で何とかコミュニケーションが取れると分かり不安は一掃。 「よっしゃあ」と最初は思ったのですが・・・。
彼女たちは玄関で靴を脱いでスリッパに履き替えてあがることは知っていました。 でもスリッパで下に降りてはいけないことは知りません。 「あ!」と思ってもとっさに言葉がでないんです。
それからは半分以上がジェスチャー。 片言英語の中に日本語が混ざって首を傾げられながらも家中を案内して回った初日でした。 「よかった~。何とか通じたわあ。」 シャワーも済ましハグして「おやすみなさ~い。」
(晴天の日曜日。)
「カミーラ!バルビ!ブエノスディアス!」
二日目は二色の浜でKAIFA主催「バーベキューパーティー」参加の予定。 朝私が握っている「おむすび」を見て「エンプティ」と笑っていました。 それではと塩昆布を混ぜたのですが、おむすびの運命は?おむすびと野菜を持って3人は出発。 脇浜から近木川沿いに沿って歩き二色浜公園を通り抜けました。 少し色づいた木々と芝生のどかな庭園風景に「ビューティフル」と言ってもらい、 貝塚なんだけど異国情緒気分に浸ることができました。
到着してから少し時間があったので何人かで国華園へ野菜の買出しに。 そこでアルゼンチンの方々はトマトとレタスが好きな野菜と分かりました。 彼らは肉が好きで一回に一人約500g召し上がるそうですが、 次に分かったことは焼肉のたれをいっさいつけないでことです。 お肉も野菜もジャガイモも塩オンリィー。 私もちょっと真似を・・・うん、まあまあイケル。けどやっぱりタレある方が・・・。
「そんなに食べて太らないの?」と聞くまでもありません。 食後は陽気な音楽とフォークダンスが止まりません。 私は足がこんがらがって倒れそうになりながら最後まで一緒に踊り呼吸も荒く汗だくです。 さっき食べたお肉のカロリー全部消費したかもしれません。
私貝塚で生まれて育って何回も二色浜を訪れたことがあるのですが、 キラキラ輝く海面に赤や黄色のヨットが浮かび漂う光景を見て感動したのは初めてです。 彼女たちも勿論お気に召して海岸で戯れていました。
帰りは塩谷さんに車で送っていただきました。 2階で小学校1年生の息子さんとお母さんが折り紙で鶴の折り方をカミーラとバルビに教えてくれました。 あと懐かしい「だまし舟」や「手裏剣」で遊び、折り紙のお土産をもらってカミーラとバルビは嬉しそう。
(夕方)
私 「今から買い物に行くけどどうする?」
2人 「行きたい」
私 「何ほしい?」
バルビ 「パスタ・サルサ・トマト・オニオン・水」
近くのスーパーでミートソースを見つけ「サルサ!」と言ってからあまりにも種類が多いのでびっくりしていました。 姉のバルビは私についてレジへ、カミーラは店内をうろうろ。でも荷物は全部持ってくれましたよ。
私 「作るのを手伝ってくれる?」
2人 「いいよ」(嬉しそうに顔がほころんでいました)
結局ほとんどカミーラとバルビがミートスパゲッティーを作りました。
バルビはトマトや玉ねぎを包丁で刻む手つきが良くて、カミーラは上手に炒め呼吸も合っておりました。
味は勿論「エスター デリシオーソ」(とっても美味しい)
コーンスープやポテト・焼肉とサラダの残りが夕食のメニュー。
あのおむすびの運命はオアズケとなりました。
バルビ 「お湯がほしい」
バルビ 「熱すぎるよ」
バルビ 「コップはいらないよ」
私 「これマテ茶?」
バルビ 「マテ!」
バルビ 「全部飲んでみて」
私 「美味しいー!」
バルビ 「お砂糖なしでもいいよ」
バルビ 「朝も昼も夜もマテを飲むから、持って歩くよ」
私 「美味しいから明日も飲ませてね」
バルビ 「いいよ」
その夜、バルビはインターネットでアルゼンチンの自宅のご両親にホットメールを送っていました。
カミーラは鳴滝第一小学校にお礼のメールと写真を送っていました。
私には、アルゼンチンの家族や親戚、友達の写真を見せてくれました。
その時は英語でなくスペイン語でしゃべっていました。
アルゼンチンの方たちはとっても陽気でお茶目です。
ずっこけ写真見て大笑いです。
もちろん私も息子夫婦や娘夫婦の写真を見てもらいましたよ。
こちらは全く盛り上がりませんでした。
心も晴天の一日が終わりました。
(3日目月曜日)
いよいよ舞踊公演会の日です
バルビ 「見に来てくれる?」
私 「もちろん、見に行くよ」
今朝の朝食は目玉焼きを半熟にしました。バルビは半熟大好き。ところがカミーラは今日も白身しか食べません。
私 「苦手?」
カミーラ 「はい」
私 「もらっていい?」
カミーラ「いいよ」
私は一口で黄身を(はしたなくも)。日本人の代表であることを忘れていました。(苦笑)
トーストには二人ともイチゴジャムが好きです。
バルビはミルクコーヒー、カミーラはミルクココアにチョコスナックを入れて飲むのが日課みたい。
どこの家庭でもそうかもしれませんが姉妹でも好みは違いますね。『え?二人ともお野菜食べないの・・・』
私 「いってらしゃい。すごい荷物ね。これはマテバッグ?」
バルビ 「そう、持ち歩いてるの」
カミーラ 「あ、マテ忘れた。とってくる」バタバタ・・・(階段を駆け上がる音)
夜の「民族舞踊公演」は満員御礼。
私の友達や知り合いも何人も来てくれて、終了後
「教えてくれてありがとう。よかったわ」
「アルゼンチンのお土産も買ったよ」
「写真一緒に撮らせて」
「私も一緒に撮らせて」
バルビ 「舞台で踊ってる私たち見えた?」
私 「見えたよ。上手に踊ってたね。すばらしいってスペイン語で何ていうの?」
バルビ 「Maravilloso」
私 「マラビジョ-ソ・マラビジョーソ!」
バルビ 「カミーラがこけたの見えた?」
私 「見えたよ。大丈夫?」
カミーラ 「大丈夫」
帰宅したのは夜10時半頃かな。それから私の友達も交えて晩御飯です。
ホットプレートにはあらかじめ作ってあったハンバーグやお好み焼き・ポテト
サラダ・スープ・残りのスパゲティ、そして、あの「おむすび」も・・・
「ハンバーグはソースかケチャップつけますか?ああ、やっぱり塩ね」
友達 「お好み焼きは如何?」
2人 「ノーサンキュー」
私 「おむすびは如何?」
2人 「ノーサンキュー」
私 「・・・」
友達 「ハンバーグに塩。美味しいよ。お好み焼きも塩だけで美味しい!」
私 「ありがとう!」
友達 「踊り良かったよ」
バルビ 「何が一番良かった?」
友達の真由美さんはパンフレットを見せて英語で話していましたが、 私は英語が出てこなくてそれらしく真似して踊って見せました。
私 「マテ飲ませて」
マテは樽のような形をした木の入れ物に茶葉を入れます。 プラスティックより木の器が良いそうです。 真由美もマテをいただいてから、キセルのようなストローの正体を知りたくて茶葉から抜いてもらいました。 先はスプーンのような形に小さな穴がたくさんあいていて液体だけが飲めるようになっていました。
お返しに真由美さんがお抹茶を略式でたててくれました。薄茶だったのですが、濃い茶のように回して飲みました。
バルビ 「マテと抹茶、回して飲むところが似ているね」
文化は全く違うけれど、似ているところありますね。 ああやっと日本文化に触れてもらったわ。良かった。真由美さんありがとう。 真由美さんの描いた日本画も見てもらったしね。
でもね、床の間の掛け軸「一期一会」の意味を聞かれたとき、私は英語で答えられませんでした。 奥が深いでしょう。誰かうまく訳していただけたら後日メールでアルゼンチンにお知らせしますね。 写真も添付して。
真由美さんもハグをして おやすみなさい・・・
(4日目の朝)
カミーラは眠そう、疲れているのね。
この日はスクランブルエッグ。
カミーラはお箸でスクランブルエッグを食べています。
つまんでは落とし、日本人でも難しいのに、
私 「スプーン使っていいよ」
カミーラ 「練習してるの」
「これ美味しいよ。カミーラも食べてみて」
おむすびですか?いよいよお別れの時間が近づいてきました。
カミーラ 「アイロン貸してください」
私 「何にアイロンかけるの?」
カミーラ 「ジーンズ」
私 「いいよ」(きれい好きなんだわあ。私のジーンズなんてクチャクチャなのに)
いよいよお別れです。
塩谷さんが迎えに来てくれました。
塩谷さん 「お別れの時ぐらいスペイン語で」
私 「なんて言うの」
塩谷さん 「Gracias]
私 「グラシアス・グラシアス」
玄関の外で何度もハグしながら「グラシアス」
手を振りながら「グラシアス」
・・・
その日の夜が来て
2階はエンプティです。
もぬけの空の布団が2つ。
でもね、
私の心はフル。
思い出でいっぱいですよ。
KAIFAのみなさん、
ありがとうございました.